会社組織にとらわれたくない「フリーランス」へ転職するときに注意したいこと


働き方の種類が急増する中で、会社組織にとらわれない「フリーランス」が注目を集めています。
一昔前は、転職といえば「会社を変わること」もしくは「業種を変わること」でした。
しかし、最近は「働き方を変えること」も転職の一つとなっています。
今回は、会社の枠を飛び出し、フリーランスへ転職するときに注意したいことについて、解説していきたいと思います。

転職する前に「独り立ち」しておくことが肝心

転職活動は、会社を変えたり業種を変えたりして、再び入社できる会社を探す活動です。
しかし、フリーランスに転職するならば、どのような仕事でも転職活動の必要はありません。
自分で「私はフリーランスです」と名乗った日から転職活動を終え、新たなスタートを切ったことになるのです。
多くの人がもつ「フリーランス」のイメージは、「自分のペースで仕事ができる」ではないでしょうか。
たしかにフリーランスは、終業時間も休日も自分で決めることができます。
その一方で、「仕事」も自ら探し出す必要があるのです。
「私はフリーランスです」と名乗るだけならば、だれでも明日からフリーランスになることは可能です。
しかし「仕事」は待っていても手に入れることはできません。
フリーランスになって、一番の高いハードルは「仕事を探すこと」なのではないでしょうか。
フリーランスに転職してから仕事を探す人は、一定の生活費を稼ぎだせるようになるまでの貯蓄が必要です。
先が見えない中で、貯蓄残高が減っていくことは大きなストレスになります。
フリーランスに転職するならば、「私はフリーランスです」と名乗る前に「仕事を得るルート」を確保しておくことが大切なのです。
つまり、フリーランスに転職するならば、転職する前に「仕事の独り立ちを完了させておく」ことはポイントです。
フリーランスとしての独り立ちの準備は、会社に勤務しながらでも可能です。
会社に在籍して、一定の収入を得ながら準備をすることで、経済的な不安もなくなります。
また、フリーランスへの転職を考える人は「フリーランス」という言葉に憧れを抱いている傾向があります。
フリーランスは、仕事を持ってくるのも自分であり、社会保険や福利厚生を考えるのも自分しかいません。
会社に属していたときには、システムに従ってさえいれば、老後の年金や急病時の生活費も自分で考えなくてもさほど心配はなかったかもしれません。
しかし、フリーランスになったとたんに厚生年金は国民年金になり、会社負担分がなくなるため、今までよりも多い金額を納付する必要が出てくるのです。
フリーランスに転職する準備をしている段階で、フリーランスの現実に気がつき「会社員であるメリット」に改めて気がつく人も多いのです。
会社に在籍しながら準備をしていれば、途中で「転職をやめる選択」も可能でしょう。

フリーランスへの転職で一番のポイントは「自分への厳しさ」

フリーランスへの転職をするならば、会社員時代よりも「プロ意識」と「仕事への責任感」が必要になります。
会社員ならば、自分を管理してくれる上司や組織がありますが、フリーランスには自分と顧客しかいません。
顧客は、自分を評価し管理してくれるかもしれませんが、マイナス評価をされたときには「次の仕事はなくなる」ことを意味しています。
フリーランスは、終業時間も休日も自分でいくらでも自由に決めることができます。
また、仕事のレベルも決められるため「嫌な仕事は受けない」ということも可能でしょう。
しかし「嫌なことから逃げる」姿勢を貫き通していれば、いずれ仕事はなくなります。
フリーランスは、「嫌なら異動希望」というわけにはいかない厳しさがあるのです。
「フリーランスは自由」というイメージだけでフリーランスに転職することは、とても危険です。
フリーランスこそ、プロ意識と自分への厳しさが重要になります。

すべての「職種」を経験しておく

フリーランスは、どのような職種であってもすべてを自分で行う必要があります。
例えば、仕事を持ってくる役割である営業を行い、収入があれば自分で収支を管理する経理業務も行います。
そのため、フリーランスへ転職を目指すならば、会社でさまざまな職種を経験しておくといいでしょう。
会社組織の中では、お茶くみや備品発注は「庶務」として扱われているかもしれません。
しかし、フリーランスになれば庶務の経験がいかされることも多いのです。
お茶の出し方や手土産の選び方は、経験があればいざというときに落ち着いて行うことができます。
フリーランスに転職を考えるならば、会社での経験すべてが役に立つと思い、すべての業務に真剣に取り組んでおくといいでしょう。
会社組織にいれば、わからないことがあったときや判断に困ったときは、相談できる相手が必ず近くにいます。
しかし、フリーランスに転職した後は「相談できる人」はいません。
「すべてを自分の判断でできる」ということは、フリーランスの大きなメリットですが、ときには大きなハードルになることもあるのです。

まとめ

今回は、「フリーランス」へ転職するときに注意したいことについて、解説してきました。
転職活動がうまくいかないと「いっそフリーランスになろうかな」と思うことがあるかもしれません。
しかしフリーランスへの道は「逃げ」で成功するほど甘い道ではありません。
仕事に対して責任を持ち、十分な判断能力があってこそ、独立することができて、生き残れるのです。
なので、転職から逃げてフリーランスになるというのは、安易にはオススメできません。