第二新卒で大手企業からベンチャー企業への転職をオススメしない理由!スタートアップでは成長は見込めるけどリスクが大きいので注意が必要


第二新卒でベンチャー企業に行こうとする方が最近は多くいます。
新卒で入社した会社が、旧態依然とした日本企業で、自分の40代や50代がもう予想できた途端、同じ部署の上司や同僚を見て、

「あー、俺はここで20年働いて、この人みたいになるんだ」

みたいな夢も希望もなくなるものです。
自分にはもっと可能性があるんじゃないかとか、こんな人生でいいのかとか、いろいろなことを考えてしまいます。
それで、成長しているベンチャー企業で自分ももっと無限に成長したいと考え、ベンチャー企業に転職します。
それが必ずしもダメだとはいいませんし、それで成功している方もたくさんいます。
ただ、リスクも大きいです。
若気のいたりでなんとかなる年代かもしれませんが、それでもベンチャー企業に転職する際には、リスクを考えた上で、それでもと思ったときにすべきです。
今回は、そんな第二新卒でベンチャー企業への転職をオススメしない理由について、解説していきたいと思います。

⇛一番オススメの転職エージェントはこちら

大手企業とベンチャーはここが違う

まず、ベンチャー企業と大手企業では会社組織の熟成度と設備の充実度が全く違います。
特に、第二新卒で一度大手企業に就職したことがあるのであれば、そのギャップを強く感じることでしょう。

そもそもベンチャーは社員の数が少ない会社です。
人事部、総務部、広報部、法務部、マーケティング部、など部署が明確に分かれていることはほとんどありません。
社員一人一人が複数の役割を兼務して、幅広い業務を担当しています。

設備やインフラに関しても、大手企業では当たり前だったグループウエアやオフィス機器も導入されていなかったり、さまざまな書類のひな型も用意されていないことが多くあります。
クライアントのデータ管理も手作業だったりと、仕事をする環境が全く異なってきます。
テック系なら、逆にめちゃくちゃデジタルだったということもありますが。。
会社としての歴史が始まったばかりのベンチャーでは、まだ手探りのことも多く、会社としてのルールが決まってないことも多くあるのです。

ベンチャーでの第二新卒の研修事情

大手企業では入社時にしっかりとした新卒研修を受けたことでしょう。
企業理念の学習から始まり、社会人としてのマナーや業界についての知識を座学で学び、配属部署に移っての実践的な研修、先輩社員についてのOJTと、時間をかけてじっくり企業の一員として働くための教育を受けた方も多いかと思います。
しかし、ベンチャー企業ではそのような体系だった研修は用意されていません。
特にアーリーステージのベンチャー企業とかだと、定期的な新卒採用を行っていることはほぼありません。
したがって、人事のみを担当する部署はなく、研修の担当者もいないと思って間違いないでしょう。
第二新卒として入社しても、研修マニュアルの用意はなく、先輩の説明を必死にメモに取るような研修が数日。
その後、実際に現場に入るようなイメージもよくあります。

ベンチャーだったらやりがいを感じる?

ベンチャー企業では、社員一人に任される仕事の裁量が大きくなります。
人数が少ない分、それぞれが担当する仕事の範囲が広くなり、第二新卒で入社したとしてもすぐに責任のある仕事を任されることもあるでしょう。

役割が細分化されている大手では、自分が歯車の一つにしか思えず、やりがいを感じられないと退職した人もいるかもしれません。
それに比べるとベンチャーでは、経営者との距離も近く、自分の仕事が直接会社の業績に結び付くことを感じることができます。
自分で考え、自分で行動した仕事の結果が成果として目に見えると、自身の成長も感じ大きなやりがいも感じることでしょう。
そして、結果を出せば大手に比べて若くして部長や役員へと昇進することもできます。
そうなればもちろん高収入が期待できます。
このスタートアップの成長がベンチャーの魅力の一つでしょう。

ただし、それは成功すればの話です。
もし、本当に自分がその会社でパフォーマンスを発揮できなかった場合、やりがいどころか、自分はなぜこんな会社に入ったんだと思うことも多々あります。
また、ベンチャー企業は、全てが成功するわけではありません。
理念やビジョンは素晴らしいけれども、いつまでも黒字化できずに消えていく会社が多くあります。
この仕事やりたかったけど、撤退してしまったみたいなこともたくさんあります。
そうすると、やりがいどころではなくなってしまいます。

ベンチャー企業でのリスク

ベンチャーでは一人が担う役割が大きくなることに加え、システム化されていないことが多くあります。
企画書一つにしても、フォーマットがなければ、一から構成を考え書式を設定し、企画を書いていかないといけません。
顧客から質問を受け、法的な疑問をクリアしたうえで回答したくても、法務部がない場合は自分で法令を調べて答えを見つけなければなりません。
このような作業の結果、一つ一つの業務に時間がかかり、残業や休日出勤が増えていきます。

残業代や休日出勤手当が支払われず、恒常的なサービス残業が当たり前となっているベンチャーもあります。
長時間労働で心身共に疲れきり、体調を崩す可能性もあります。
また、大手企業とベンチャーでは社会的信用も違います。
若い第二新卒者の場合、将来的に家族を持ち、住宅を購入することも出てくるでしょう。
住宅購入の際に組む住宅ローンも企業規模によって審査内容が変わってくるのです。
信頼性の高い企業が勤め先の場合のほうがローンを組める金額も多くなりますし、ローンの金利だって優遇されるのです。

ベンチャーで成功するのは一握り

かつてはベンチャーでスタートした企業でも現在は一部上場の大手企業となり、メガベンチャーと呼ばれるようなところもあります。
しかし、短期間の間に急成長し、組織を整え、安定企業の仲間入りをした会社はほんの一握りです。
ベンチャー企業が成長するには、安定した資金の調達、市場の流れに合ったサービス・商品を見極める経営能力、質の良いサービス・商品を維持する優秀な人材の確保が必要です。
そのどれか一つでもバランスを崩すと、資本の少ないベンチャーは一気に傾いてしまいます。
常に倒産というリスクと背中合わせの状況です。

  • 教えてもらえなくても自分で学びながら成長していく自信がある
  • 大変でもベンチャーならではの企業の創成期に携わってみたい
  • 将来的に自分も起業したい。

そんな第二新卒の方でしたらベンチャーが向いているかもしれません。
しかし、向上心の強い人が成功するのは何もベンチャーだけではありません。
第二新卒者ならば、まだまだ安定した大手企業で働くチャンスがあります。
今後また転職をするようなことがあれば、三度目、四度目で大手企業へ転職できるチャンスは皆無と言っていいでしょう。
転職を重ねるほど、よりよい企業へ入社することは難しくなっていきます。
今回の転職を最後にするためにも10年後、20年後の将来を考え、ベンチャーへの入社が自分にとってプラスになるのかどうか冷静かつ慎重に判断していきましょう。

まとめ

今回は、第二新卒で大手企業からベンチャー企業への転職をオススメしないことを解説してきました。
でも、必ずしも絶対にやめた方がいいわけではもちろんありません。
第二新卒でベンチャー企業に転職して、大成功している人もたくさんいます。
言いたいことは、覚悟が必要だということです。
多少のリスクは甘んじて受け入れた上で、それでも挑戦していこうという方は、ぜひ転職するべきだと思います。
反対になんとなく面白そうという方は、もう一度よく考えることをオススメします。